2012年10月11日

9月定例会 一般質問

10月4日(木)に一般質問を行いました。
質問の前に私なりの所見を述べました。

= 所 見 =
 友人の勧めもあって、戦後日本の対米外交史をテーマにした本の感想を所見に取り上げてみました。
 登場する人物は実在した首相や外相をはじめ、著名な政治家達がリアリティーに描かれる保守政治の葛藤の歴史書でもある。

 戦後、我が国は米国統治下におかれ、軍政がひかれました。苛酷な政治環境の下で絶対的な権力者であった米国が発する命令に日本のリーダー達は自らの信念に基づいて 其れの進路を選択していった。米国に柔順に従う「対米追随」派と、飽くまでも日本の自主独立路線を貫こうとする「自主路線」派とに分かれていった。

 その結果「追随路線」は米国から重要視され主要ポストに就き政治の実権を握る「自主路線」を選んだ派は米国からパージを受け、圧力や裏工作によって政治の表舞台から排除され失脚していった者も多くいたと言われる。それでも私の知る政治家たちの多くが、戦後の混乱期の巨大な権力に毅然として立ち向かっていったことに感銘を覚えると同時に勇気を与えられる思いである。
 
 戦後の米国による日本統治が始まると、否応無しにアジアにおける米国の安全保障国家戦略に組み込まれた日本は、同盟国としての接遇は受けるものの、 飽くまでも米国の国益と国家戦略が優先される対米関係を強いられる中、その日本政府の対米政策が形勢される課程の中心にいたのは米国の戦略を無批判に受け入れてきた「追随路線」派を中心とする政治エリート達であった。
 
 今日、長年の米国の従属関係から派生した政治家の特質した、思考や行動範囲は政界のみならず、 日本社会全体に蔓延し米国の意図する国家戦略の呪縛から脱却できずにいる。

 このような日本社会の構造を沖縄に当て嵌めてみるとその実像がよく見えてきます。
 事実、日本社会が抱える対米追随のトラウマは、沖縄の米軍基地の現実として存在するし、普天間移設問題やオスプレイの強行配備もその構造の中の一つと言えるものである。

 これまでの歴史的経緯は日本政府が米国の国家戦略に唯唯諾諾と従っていることに、すべからく起因していることは断言しても言うまでもありません。

 また先日おきた、米国統領事の許しがたい過激な発言も、新任の外交官の誤った放言ではなくて、米政府の外交戦略の手法であって、着任早々観測気球を打ち上げ沖縄の民意を推し量る外交官のしたたかさが垣間見られる。

 私はそのように理解している。

 それにしても県民感情を顧みず逆撫でするような外交手法は決して受け入られるはずもなく、許し難い行為であります。

 最後に、民主党政権、自民党政権、を問わず、日本の国益の為に米国に言うべきことをしっかりと言える、自主路線の政治家が我が国のリーダーとなりそれを温かく支援する世論が形成されることを私は望んでやみません。      


-追記-
 
 沖縄のおかれている米軍基地の現状は、戦後政治の実態を如実に表現している。また弱腰外交と言われる対米政策が生みだした歪みといえる。
 この現状を打開するには、日本政治の構造を変え、対米政策を見直すことから始めないと「なに一つ変わらない」ことを普天間の県外移設、オスプレイの強行配備を見ていてもよくわかる。
 県内保守政党もこの現実を変えるのに従来にない価値観をもって自ら改革をしていかないと現状の打開は望めない。
9月定例会 一般質問

 



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Posted by 翁長 政俊 at 11:26 │沖縄県議会

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